文芸 Advent Calendar 2020 -そういえば、ろくに本を読んでいない
海響舎の小澤さんの「文芸 Advent Calendar 2020」のツイートを見つけて、何か書きたい!私、本好きだし!と思って何も考えずに(少しは考えた)名前を登録した。しばらく経って気づいた。好きな本を黙々と読めていたのは幼稚園小学校中学校までで、高校から先はろくに本を読めていなかったことに……(本はいくつか購入している)
急いで新しく本を読もうかとも思ったが、なんかそれは違うなというのと、読もうとしたが( 読書珈琲リチル で過ごした時間を除いて)結局集中して本を読めなかったというのもあり、必死で1年を振り返った。読んでないと言っても、何冊かは読んだし、感銘を受けた記憶もある……自分自身、時間の感覚がわりと曖昧なこともあり、頭に浮かぶその本が今年読んだものなのか数年前に読んだものなのか分からない。
1冊だけ、確実に今年読んだとハッキリわかる本があった。
昨年末に toi books で購入して正月休みの1月2日に読み始めてその日のうちに読了した。新年早々、気づいたら号泣していた。私の中にある、怒りや、もどかしさが流れ出すような感覚だった。
これは、その頃勤めていた職場の先輩が、冬休みにおすすめの本として中学生向けに紹介文を書いていた本だった。その先輩は、クリスマスを終えて職場を去った。慕っていた先輩だった。なんとなく、ここを去ってしまうことも、辛く苦しい時間を過ごしていることも察していたのに、何もできなかったし何も言えなかった。全然違うはずなんだけど、何故か自分のこの状況と、小説の物語を重ねてしまった。
だけど何より心を掴まれたのは、僕らには「物語が必要だ」ということ。私は物語に救われてきた人間だから、そのことを肯定されたようで(なんとなく物語に救われていることに引け目のようなものがあったのかもしれない)心強さのようなものを感じた。
ギリギリの公開になってしまったけど、なんとか間に合った…(?)また後日、小説を読み返しながら印象的だった箇所について書き加えたいと思う。できれば年内のうちに。紹介というより半分以上自分語りになってしまったけれど、そういうのも悪くないかなと思うのでお許しください……
前回は 麻さん の コリオレイナス、そしてシェイクスピアという沼に落ちて でした。
次は paina さんです。よろしくお願いします!