月の宇宙船
今日は月がとても綺麗で、好きな色をしていて、重そうな色をしていた。
どんどん降りてくるから、どんどん大きくなっていって、家に着くころには、もうおっこちてくるんじゃないかって思った。落ちるところを見たいと思った。乗りたいと思った。触りたいと思った。見逃してはいけないと思った。
思えば、小さい頃の夢は宇宙飛行士だった。私たちが宇宙に存在しているのに、他に宇宙に生物がいないなんて考えられなかった。宇宙船に乗って辿り着いた場所、または道すがら、きっと何者かに出会うことになると思っていた。他の人は知らない何者かにいじわるをしたり、身柄を拘束したり、身勝手なことをするかもしれないと思っていた。私なら、きっと仲良くできるし、そっとしておくこともできる。もし彼らが望まないなら、仲間と一緒に彼らのことを隠すことだってできる。そう思って使命感に燃えていた。
写真は、熱海にいったときに撮った。3年前くらい?日に焼けて劣化したプランターが不時着した宇宙船みたいだと思った。宇宙船の中には、実験施設があり、そこではたくさんの植物が育てられ、生態系のバランスを保つための試行錯誤が繰り返されてきた。航路の途中、システムエラーが起こり、(もしくは全ての使命を果たし、そこの乗組員全員が船のコロニーの中で穏やかに一生を終えたあとかもしれない。)不時着して、大部分が壊れ、実験施設はむき出しになり、置かれた場所で咲いている芽吹いている。そういう、宇宙船です。
朝なので、寝ます。